自作料理に囲まれ丸見え温泉へ【北温泉旅館】
ビジュアルにて
自分の中で ”この温泉行きたい!”というのはどのように決められるか
まずはやっぱり泉質 温泉に行くんだからお湯が良くないとね〜
そしてロケーション 高山地帯の藤七温泉や日本海が目の前の不老ふ死温泉など
その次に重視されるのがビジュアル
これは内湯の美 意匠にハートを射抜かれるパターンである
今回の北温泉旅館は完全にビジュアルであった
結果的に行ってみてお湯も良かったな〜となったけどもここはビジュアルに引っ張られて足が向いてしまった
なにかの雑誌で見たその北温泉旅館の写真、それは内湯空間に巨大な天狗が鎮座していた
自らの裸体が急に陳腐なものに思えるようなその堂々たる天狗のツラは内湯の人間にどのような印象を与えるのだろうか
実際お湯の中に浸かって天狗を眺めたいし天狗にも俺を見て欲しい
行くしかない
那須ツアーではピラミッド元氣温泉に続いて、この機会しかないとばかりに北温泉旅館に予約を取った
残雪のなか
駐車場から北温泉旅館までは少し坂を歩かないといけない
雪が残っているのでこの坂が割と危ない
ここで北温泉旅館に行くことができる人間が選別される
そして北温泉旅館の堂々たる全貌が徐々に見えてくる
右にちらっと見えているのは田んぼではなく、温泉である
浮き輪が浮いている 楽しそう
やっぱり温泉というのは泳げてナンボ
霧島ホテルも浮き輪を持ち込ませてほしい
今回申し込んだプランは自炊プラン
自炊だと5,900円で泊まれてちょっと安い上に、温泉宿でご飯を作るという体験をしてみたかったのでこのプランに
温泉めぐりへ
部屋に着くとさっそく天狗の温泉へ行ってみることに
部屋からすぐ近くらしいので廊下を進むと
廊下の先でちょっとした段差に突き当たる
わかりにくいけど左手に手洗い場があり、写ってないけど右手に調理場がある
ヒラヒラののれん(これなんて言うん)の隙間から天狗が!
この右手に脱衣場があり、左手が浴場になる
図に示すとこういうことになる
こんな図を描くことに20代の貴重な時間を
これを見るとわかるように、脱衣場と浴場の間を通るときに一瞬廊下に裸を晒してしまうことになる
そしてのれんはヒラヒラなので丸見えになる
なんと開放的な温泉だろうか
うおー!ついに来た!きたきた北温泉!!
生の天狗は当然3Dでございまして、そそり立った鼻はここまで伸びてきそうなほど
そして目線を下げると自分の天狗が目に入る
なんと貧相な!帰りたい!!
浴槽には惜しげもなくお湯がドバドバと注ぎ込まれ、決して建物自体は綺麗とは言い難いものの、お湯自体はものすごく新鮮で美しい
この建物の奥にも川沿いの道があり、小屋が何軒か建っており、それぞれの建物で温泉を楽しむことができる(夜に入ったので写真を全然撮れてない)
滝が見える露天風呂もあって、これも非常に風流である
ただ建設コンサル勤務の自分にはわかる これは滝ではなく砂防ダムである
これは土木建築を愛でる風呂となる
興奮せざるを得ない
そして天狗風呂と並ぶこの旅館のウリである、巨大温泉プールへ!
といってもこれも夜に行ったので詳しく写真がないのでじゃらんより引用
3月の那須は寒く、旅館から温泉プールまでの10メートルくらいで死にそうになる
登別温泉にあったように、ここにも温泉×滑り台の最高の組み合わせがあったが、今回はパスすることにした
映画「フローズン」にて、ヒロインの女の子が素手でリフトの安全バーを握ったまま眠ってしまい、手が安全バーから取れなくなるというシーンを見たことが大きな要因である
滑ろうとしたが最後、俺の臀部は金属製の滑り台に磁石のように張り付き、雪解けまで那須に強制立てこもりとなる
温泉プールは割とぬるく、入ってしまうと出ることができなくなる
プールの奥の方に一切動かない人影が見えたけど、彼は風呂から出れないまま天寿を全うしたのだと思われる
風呂には藻のようなものが浮いていたので、潔癖症の人はちょっと無理かもしれない
ただ自分は和歌山の川湯温泉千人風呂でこういう温泉は経験していたし、温い川に浸かっていると考えたら汚くもなんともない
自炊をしてみる
お腹もすいてきたのでご飯作りを
普通ならご飯の時刻も指定されるけれども自炊だと何時に作ってもいいし好きな具材を詰め込める
ででーん
作ったのは鍋と焼鳥!最高じゃないすか!?
鍋作る前提で食材買い込んでいったけど、鍋が借りれたのは結果論 非常に助かりました
男3人が作る安上がり鍋なので大して美味しくないかと思えばこれが抜群にうまい
自分でメシを作ってひょいと廊下の突き当りの温泉へザブン
職住近接ならぬ浴食近接
これは想像以上に幸福な体験なので是非多くの人に温泉宿自炊プランというものに挑戦してみてほしい
この北温泉をきっかけに、温泉宿自炊への関心が俄然湧いてしまったし、今後も機会があれば色んな宿でやってみたいと思う
ごっちゃごちゃすぎて笑える部屋 広くはないけど十分くつろげました
帰路の安全祈願をして
猫を愛でて帰ります
結局土木建築より猫の方が可愛いな
猫より吹石一恵のほうが可愛いけど
北温泉旅館、温泉旅館の楽しみ方に新たな視点を加えてくれたような宿でした
去年訪れた宿では1番印象に残ったかな
万人ウケするような宿じゃないけど、きっと印象深い体験ができます