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”氣”が充満する最強スピリチュアル温泉【ピラミッド元氣温泉】

消化困難な施設とは

ずっと行きたかった場所

でもなんとなく周囲には言いにくいし、1人で行くのもなんとも・・・

そんなスポットが誰しもあるかもしれない

 

会社では部長として組織へビシバシとムチを打ち続け、家庭では亭主関白を演じているが、実はサンリオピューロランドにずっと行きたかった中年男性がいるとする

彼はその意志をどのタイミングで周囲へ発表すれば良いのだろうか

家族とともに京王沿線をアテもなくブラつき、突然大雨に見舞われてサンリオピューロランドに行くしかなくなる、そんな瞬間を待つしかないのだろうか

 

自分も例に漏れずそんなスポットが多々ある

この「ピラミッド元氣温泉」もその1つである

自ら進んで”ここへ行きたい”なんて言えない 言えるはずがない

「なにそれ!どこ!」と画像検索をかけられたが最後、巨大なスフィンクスの鎮座するピラミッド型の宿泊施設、楽天トラベルの口コミは2.86

そんな施設に誰が行きたいというのか

ただ俺は行きたい めちゃくちゃ行きたい

昔からハムナプトラとかめっちゃ好きだったし、一時期いとことお互いを「イムホテップ」「アナクスナムン」って呼び合ってた時期もあった(俺がアナクスナムン)

なのでエジプト+温泉の組み合わせに燃えないはずがないのである

 

でも周囲には言えない

ただいつかそのタイミングが来ると思い、待ち続けた

 

ついに訪れたタイミング

友人を那須ハイランドパークへ誘った

那須ハイランドパークも割とギリギリのラインのヤバスポットである

ここも昔から、本当に小6くらいからずっと行きたかった

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睡眠中の脳内で適当に作られたような遊園地の姿

園内は様々なアトラクションがひしめき合い、質より量!といった感じで客をめちゃくちゃに振り回す

 

そんな那須ハイで1番面白いのはアトラクションではなくアヒルレース

勝ちアヒルを的中させるとペア入園券などが贈呈されるという激アツイベントである

 

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客は100円を支払って予想するのだが、そのままでは賭博罪へ触れる可能性があるとして、100円で缶バッジを買わせ(無理やり渡される)、その缶バッジの特典としてレース参加券を渡すという仕組みに腰を抜かしそうになる

これは「公的に認められていないギャンブル」なのである

遊園地においても裏社会への扉は存在した ここは実存する”ヘンダーランド”であった

 

 

 

といった那須ハイに行く友人は見つかった

そして幸運なことに、那須ハイにたどり着くまでに一泊する際の宿がまだ決まっていない

車はもう宇都宮にまで到達している

ついにそのタイミングは訪れた

落ち着け 落ち着けよ あくまで自然に 内に秘めた想いは深層部に押し留め スマホを見ながらごく自然に・・・

「え、なにこれ ピラミッド温泉やって 割と近いで ここ安そうやし ここしか うーん なさげかも」

 

全部ウソ

数年前からグーグルマップにピンをつけてある

車がそこへ着実に近付いていたことも全部わかっていた

 

そしてついに友人からも承認が下りた

全員アホで助かった こんなとこ普通行かないし承認も下りない

 

電話口では一般論

予約の電話を入れる

人数と食事の有無を聞かれ、宿の主人から提示された料金にオッケーを出し、予約完了

現地に向かう

 

そして、到着・・・

 

 

 

 

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恐ろしすぎる

念願の場所へたどり着いて、震えるような感動を味わうことがあるが、今回の場合はただただ恐怖におののいての震えであった

 

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教養・筋力・運 人生を決定する全要素がここで手に入る コスパの悪い四国八十八箇所巡りなどやめてここに来よう

 

持つべきものは器の大きい友人だなと思う

こんなところへついてきてくれたことに、まず感謝と異敬の念を抱く

 

 

さて、受付へいってチェックインの手続きへ

ここである違和感に気付く

俺はその違和感をそのまま口にする

「あれ、電話で聞いた料金と違うことないですか?」

 

そう、電話口にて提示された料金にプラス1000円くらい上乗せされているのである

 

宿の主人は真顔でこちらを見る

「休日料金ですよ?」

 

え、なんかわたし言っちゃいました?みたいな茶目っ気あふれる顔で見てくるのでこれは受容せざるを得ない

どうやら電話口で語ったのは一般論らしい

そりゃ当然のことで、日本には土日祝日より平日の方が多いので、平日の方の料金を言ったまでである

平日料金の方がマジョリティなので仕方ない

 

二軒目の居酒屋を探す際、事前に電話をして店が空いているという確認を取った上で店に向かい、ゴリゴリの満席でも文句を言ってはいけない

電話口ではあくまで一般論を語られる可能性がある

店が空いているというのは、前年までの同時期の一般的な店内の様子を言語化しただけであり、今現在の状況なんて関係ないのである

 

 

のっけから先制パンチを食らわされ、否応なしにこの先の体験への期待も膨らむ

 

部屋

温泉旅館といった感じの部屋ではないことは確か

長方形の1部屋に3人が詰め込まれる

 

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しかしこの壁のなんともいえない色合いが素晴らしい

めちゃくちゃ遠目で見たら国宝二条城の二の丸御殿である

並の温泉旅館よりよっぽど日本らしいではないか

 

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ただ二の丸御殿には絶対にフルーツの絵はない

 

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御札チェックは欠かせない

 

温泉

さあ浴衣に着替えて温泉へ!

 

 

 

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もしかすると浴衣が最悪かもしれない

いや、まだ浴衣の一部だけしか見ていない

一部を見て全体を否定するのは危険思想である

ただこの時点で、「元氣」が平仮名なことへの不満は発生している

「氣(旧字体)」に惹かれてやってきたのに

 

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さいあくなんですけどー

浴衣に書かれてんのピラミッド?

いや折れ曲がったドンタコス浴衣じゃん ウケる 笑

 

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廊下にはエジプトっぽいものと何故か大量のこけしが並べられたギャラリーが

 

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なんの施設かわからなくなる



 

ここで改めてピラミッド元氣温泉とはなにか、を書くと

 

ピラミッドで集めた宇宙エネルギーと、1.2km深層水の地殻エネルギーをコラボした、生命力強化出来る次世代型温泉です。心の安らぎを得られ、体の治癒の強化がはかれる環境を整えたモールです。(公式HPより)

 

となっている

絶妙に日本語もおかしく、そもそも意味もわからない

とにかく、この温泉の主人はめちゃくちゃスピリチュアルなことを研究し、突き詰めた結果、温泉に「氣」を混ぜれたいいのではないかと思いついたらしい

そのような主人の想いが綴られた雑誌の記事かなんかが館内に飾られてあった

 

 

さあいよいよ温泉とご対面である

ドンタコス浴衣を脱ぎ浴室へ飛び込む

ん 嗅いだことのない臭い

全国様々な温泉を巡ってきたが、この臭いに類似した温泉など思いつかない

これはもしかして「氣」の臭いなのか・・・?

氣とは気体なのだろうか

 

お湯に浸かると手触りとしてはヌルヌルしている

これはもしかするとめちゃくちゃいい温泉なのかもしれないし、いや、そうに違いない、違いないのである 素晴らしい泉質であった

 

男湯と女湯を仕切る壁の方を見ると、巨大な柱が建っている

近付くと「氣柱」と書いてある

この浴室のすぐ上は瞑想室になっており(課金システムで、タダでは入らせてくれない)氣柱はこの浴室と瞑想室を貫いている

つまり瞑想室からの「氣」がこの浴槽にまで流れ込んでくるというシステムである!ありがてえ!

氣が水溶性なのかどうかは知らないが、お湯に浸かっていると確かに氣が体へ流れ込んでくる気がする

もうこの先温泉巡りなんて続けていけるのだろうか

ピラミッド元氣温泉以外の、氣が充満していない湯に自分は満足できるのだろうか

もしやするとこの温泉に人生を狂わされるのではないかとの恐怖心すら芽生える

 

チェックアウト

人生は特に狂わされることもなく、無事に生還してしまった

 

しかし確かに「氣」を受け取ることはできた

 

宿のご主人のスピリチュアルへの情熱は本物であり、またそれを公共の福祉へと昇華させるという試みもなんとも素晴らしいものである

 

自分の突き詰めたものがより善い社会へ寄与するということは、人生の最終目標のごとく困難かつ理想的なものであるのだが、この施設ではそのような夢を叶えられた希少な人間の人生そのものを目の当たりにすることができるのかもしれない

 

人生に悩んだら、あれこれ考える前にまず那須へ向け歩みだすべきである

このピラミッドの裾野は、もうあなたの足元にまで及んでいるのですよ

 

 

 

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最後に記念の一枚